理想の間取りが見つからない人へ。まず考えたい「暮らしの優先順位」

「理想の間取りを探しているのに、なぜか決めきれない」
そんな感覚を抱いたことはありませんか。
SNSを開けば、おしゃれなキッチンや開放的なリビング、工夫された収納アイデアが次々と目に入ります。実際に、家づくりでSNSを活用した人への調査では、Instagramを参考にした人が55.9%、参考にした情報は「間取り」が53.2%で最多という結果も出ています。
※出典:株式会社ゼンリン東海「家づくりにおけるSNSの活用実態に関する調査」(2025年1月実施、調査対象810人)
情報収集はとても大切です。しかし、たくさんの事例を見る中で、自分たちの理想がわかりにくく感じる人もいるかもしれません。
なぜなら、家づくりでは間取りから考えるのではなく、まず「どんな暮らしをしたいか」を整理するという考え方もあるからです。
ここでは、間取りに悩む理由を整理しながら、自分たちらしい住まいを見つけるための考え方を説明します。
なぜ理想の間取りが見つからないのか?
理想の間取りが見つからない最大の理由は、間取りそのものを探しているからです。
暮らし方を整理する前に形を探すと迷いやすくなります。

▨ SNSで素敵な家を見るほど迷ってしまう理由
今の家づくりは、かつてないほど多くの情報に囲まれています。
少し検索するだけで、数え切れないほどの施工事例やルームツアー動画が見つかります。SNSを使った家づくりの情報収集は一般的になっており、多くの人が理想のイメージづくりに活用しています。
ただ、その便利さが迷いの原因になる場合もあります。
吹き抜けのある家を見ると魅力的に感じる。回遊動線のある間取りを見ると便利そうに思える。広いファミリークローゼットを見れば欲しくなる。
どれも素敵なアイデアです。
しかし、それは本当に自分たちの暮らしに必要なものでしょうか。
SNSで見つかる事例の多くは「良い家」です。けれども、「自分たちに合う家」とは限りません。
他人の理想と自分たちの理想が混ざり始めたとき、人は選択に迷いやすくなります。
▨ 「理想の間取り」が決まらないのは当たり前
そもそも、家族全員が同じ価値観を持っているケースは多くありません。
料理が好きな人もいれば、読書を楽しみたい人もいます。在宅ワークを快適にしたい人もいれば、友人を招く機会を大切にしたい人もいるでしょう。
それぞれに大切にしたいことがあります。
だからこそ、最初から一つの正解を見つけようとすると苦しくなります。
暮らし方に正解はありません。
CASANEが大切にしている「十人十彩」という考え方のように、人それぞれ異なる価値観や理想があります。
自分たちの家族らしい答えを見つけることこそが、本当の意味での理想の住まいにつながります。
▨ 間取りより先に考えたいことがある
家づくりを考え始めると、多くの人が最初に間取りを見ます。
けれども、先にあるべきものとして、暮らし方を整理する考え方があります。
どんな朝を迎えたいのか。
どんな休日を過ごしたいのか。
家族とどんな時間を共有したいのか。
それらが明確になったとき、必要な空間や動線のヒントが見えてきます。
つまり間取りとは、暮らしを形にした結果として考えることもできます。
家事の負担を減らしたい。
家族が自然に顔を合わせる暮らしをしたい。
趣味に没頭する時間を確保したい。
こうして理想の暮らし方から希望を整理していくと、それを叶えるための間取りが見えてくることも。
間取りという結果から考えるよりも、まずは暮らし方を整理することが住まいづくりのヒントになります。
まず整理したい「暮らしの優先順位」
間取り選びの前に、家族が大切にしたいことを整理するのが重要です。
優先順位が見えると必要な住まいの形も見えてきます。

▨ 今の住まいの不満を書き出してみる
最初におすすめしたいのが、現在の住まいで感じている不満の洗い出しです。
朝の支度で家族同士が動線上でぶつかる。収納が不足して片付かない。洗濯の移動が面倒。
こうした日常の小さなストレスには、暮らしを改善するヒントが隠れています。
漠然とした「もっと快適に暮らしたい」という希望よりも、「何に困っているのか」を具体化した方が優先順位は見つけやすくなります。
▨ 理想の休日を想像してみる
次に考えたいのは、部屋ではなく時間です。
休日の朝、どこでコーヒーを飲みたいですか。
家族とどんな会話をしたいですか。
趣味に集中する時間はどんな空間で過ごしたいでしょうか。
ここでは部屋数や広さを忘れて構いません。
大切なのは、どんな時間を過ごしたいかです。
暮らしの質は部屋の数だけで決まるものではなく、日々の過ごし方も大きく影響すると考えられます。
▨ 家族それぞれの「譲れないこと」を整理する
家づくりは、一人だけで進めるものではありません。
パートナーや家族それぞれに希望があります。
静かなワークスペースが欲しい。
料理に集中できるキッチンが欲しい。
趣味の道具を収納できる場所が欲しい。
それぞれの希望を出し合うことで、共通点が見えてきます。
反対に、優先順位の違いもわかります。
その違いを知ることが、満足度の高い住まいづくりにつながります。
▨ 優先順位は「やりたいこと」より「大切にしたい時間」
意外と見落としがちなのが、この視点です。
「ホームシアターが欲しい」「広い庭が欲しい」といった希望はもちろん大切です。
しかし、その背景には必ず理由があります。
映画を楽しむ時間が好きだから。
家族と外で過ごす時間を大切にしたいから。
つまり、本当に大切なのは設備や空間ではなく、その時間です。
時間の使い方を基準に考えることで、優先順位が見えやすくなることがあります。

自分たちらしい住まいを見つける3つの視点
住まいづくりで大切なのは間取り探しではなく暮らしの言語化です。家族の価値観を重ねることで自分たちらしい答えが見つかります。
▨ 「どんな部屋が欲しいか」から少し離れて考える
家づくりの打ち合わせでは、「何LDKが良いですか」と聞かれることがあります。
もちろん必要な視点です。
ただ、その前に考えたいことがあります。
それは「なぜその部屋が必要なのか」という問いです。
広いリビングが欲しい理由は何でしょうか。
収納が欲しい理由は何でしょうか。
目的を深掘りすると、本当に必要な空間のあり方が見えてきます。
部屋数や面積から一度離れて考えることで、固定観念にとらわれない発想が生まれます。
▨ 「どんな時間を過ごしたいか」をイメージする
住まいは時間を過ごす場所です。
だからこそ、空間ではなく時間から考えることに意味があります。
朝は家族でゆっくり朝食を楽しみたい。
仕事の合間に気分転換できる場所が欲しい。
夜はソファでくつろぎながら会話をしたい。
そんな時間のイメージを描くことで、空間の役割が見えてきます。

暮らし方が明確になるほど、間取りの方向性も整理しやすくなります。
▨ 暮らしを整理すると、理想の間取りが見えてくる
理想の間取りが見つからないとき、多くの人はもっと多くの事例を探そうとします。
けれども、本当に必要なのは新しい間取りではなく、自分たちの暮らしを見つめ直す時間かもしれません。
どんな毎日を送りたいのか。
どんな時間を大切にしたいのか。
誰と、どんな暮らしを続けていきたいのか。
その問いに向き合ってみましょう。
すると、住まいの方向性が少しずつ整理されてくるはずです。
理想の間取りは、暮らし方を整理する中で見えてくるという考え方もあります。
迷ったときこそ、図面から少し離れて、自分たちの暮らしに目を向けてみてください。そこに、わが家らしい答えがきっとあります。